2011年5月25日水曜日

アメリカ大学院のシステム

さて、肝心の大学院課程についてですが

アメリカと日本ではちょっとした違いがありますので、説明しようと思います。

私もまだまだ勉強中なので、間違いなどあれば教えて下さると嬉しいですm(_ _)m



日本の大学院では、学部を卒業したあとに

修士課程2年間で修士号を取得、

その後博士課程3年間で博士号を取得。

と言った流れが通常となっています。

(勿論、もっと長くかかる場合もあります…特に博士号は)





アメリカでは、このように博士課程の前段階として修士課程を修了した場合に授与される学位を

terminal Master's degree と呼びます。

人文科学系の場合は terminal M.A. 自然科学系の場合は terminal M.S. ということが一般的です。

MAとは Master of Arts, MSとは Master of Science の略です。

このほかにも工学系の M.Eng = Master of Engineering などいろいろな Master's degree があります。

よく聞く MBA というのは、Master of Business Administration の略です。

(同様に BA とは Bachelor of Arts, BS とは Bachelor of Science の略です)

ちなみに、研究をしなくてよい、つまり修士論文を書かなくてよい Master's program も存在します。
ただし、その場合は卒業試験のようなものがあるはずです。




一方で、アメリカには、学部卒業後すぐに5年間のPh.D.課程に進学するオプションもあるのです。

これは最近日本でも、一貫制博士課程として設けている学校もあるようですが、まだまだ少数派です。

このように5年間のPh.D.課程に行った場合にも修士号はもらえることもあるようですが、

この場合は non-terminal Master's degree

あるいは Master's degree en route などと呼ばれ、

修士号自体がゴールではなく、博士号をとるためのステップの1つにしか過ぎません。


ちなみに、前述の MA, MS などと違って、博士号の場合にはどの分野でもPhDが授与されることが一般的です。

これは Doctor of Philosophy の略です。

この哲学とは、広く学問一般を指しています。哲学は学問の祖とも言いますからね。


もっとも最近は、教育学のように専門職学位を授与する分野の場合は、

Ed.D. (Doctor of Education) などの違う名前の博士号を授与する場合もあります。


Doctorate, Doctoral degree などはそれらの博士号全体を指す言葉として使えますね。



ただし、学校によっては、5年制Ph.D.課程がなく、

Ph.D.課程に進むには修士号を持っていることが必須条件であるところもあります。

つまり、このような学校では原則としては、学部卒業後にいきなり Ph.D.課程に入ることはできないわけです。




私が知っている限りでは、有名私立大学や上位の州立大学ならば、

5年制Ph.D.課程があるところが殆どです。

勿論、financial aid もしっかりしていて、理系ばかりでなく文系もフルサポートがつくことが多いようです。


研究に専念したい人にとって、これほど魅力的な選択肢はないというのは想像できるでしょうか?




5年制のPh.D.課程がある学校の中には、terminal Master's program を併設しているところもあれば、

「MAはありません。Ph.D.課程しか用意してません。」というところもあるので、

自分の進路に合わせて適したプログラムを選ぶことが重要です。



5年間のPh.D.課程があるなら、terminal Master's program の有無は関係ないのでは?

と思うかもしれませんが、Master's program に一度入ったほうがいい場合もあるのです。

例えば、専門が変わってしまう人なんかは、そうすることを勧められるばあいもあります。

これは最後にもお話します。









研究のために大学院留学する日本人の学生の多くは、

修士号を日本でとって博士課程から留学する人が大多数です。

というのも、5年制Ph.D.課程は、学部卒の日本人が入るのはなかなか難しいんだそうです。

ですから、日本国内の修士課程で専門的知識をつけ、ある程度の研究業績をつける方が有利なのだと思います。



そんな中、私は、奨学金の関係などもあり、学部卒ですぐPh.D.課程に入ることを希望していました。

難しく少数派なのは分かっていたけれど、頑張ってみようと思ったんです。

しかし、学部の頃の専門と大学院で希望していた専門が異なっていたため(全く関連しないわけではありませんでしたが)、

事前に相談した相手方の先生には、

「アメリカでも日本でも、どこかで先にこの分野で修士号をとったほうがいい」とアドバイスを受けました。

成績表の単位取得科目や、論文(提出する場合)の内容などから判断するようです。



特に何も相談なく Ph.D. にぶつかっていったところは、全部不合格になりました。

これには上記の理由以外にも、

GREの点数が低かったとか、志望文があまりよくなかったとか、他にも理由があると思いますが

(しかも、難関校のPh.D.課程にばかり出しましたし…)

やはり専門分野が合わなかったというのも大きかったのではないかと思います。



ちなみに、terminal Master's program が併設されているプログラムなら、

格下げというと表現が悪いですが、Ph.D. の代わりに Master's の方に入学許可してくれることもあるようです。

実は私が今回留学する大学院も、当初はPh.D.希望だったのですが、MA で入学許可が下りたんです。

とはいえ、私の場合はfinancial aidがもらえなかったら完全にアウトだったんですが、なんとかもらえることになったので…


MA でワンクッション置くのは、financial aidが出にくい(あるいはfinancial aidはあっても条件が悪い)ことや、時間がかかるといった難点もありますが

基礎知識をきちんとつけること(研究分野が完全に一致し、学部でしっかり勉強してた人などは問題ないと思いますが)

英語での授業環境に慣れること、などを考えると結果的に良かったのではないかと私も周りも思っています。

実際に2年間を終え、無事博士課程の進学が決まった今では、2年前は何もわからない状態だったということがよく分かります。

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