2012年3月20日火曜日

ティーチング

今週は言語危機 (Language Endangerment) のチャプターをカバーしています。
言語危機や言語保存の分野はハワイ大学言語学科の強み。
ピッツバーグでは全然触れなかった分野なので、私はこちらに来てからいろいろ学んだのですが、
言語接触、バイリンガリズムや個人レベルでの言語喪失などとも関連がある分野なので
言語保存自体が専門でない私にとっても重要な問題です。
授業をしていても言葉に力が入ります。
死にゆく言語があるという現実を学生にも真剣に考え理解してもらいたくて、
前週はピジン・クレオール、前々週は言語習得、その前はバイリンガリズムと、ここまで持ってくる流れを考えてスケジュールを組みました。
また、学生がしゃべる言語は英語や日本語、タガログ語、韓国語、中国語など、当分は絶滅しそうにない言語がほとんどなので、
移民のコミュニティに例えたり、明日突然災害が起こって英語を話す相手が周りから一人もいなくなったらどう思うか、などの問いかけから授業を始めました。
ハワイのローカルの学生の中には、ハワイ語をしゃべれたり習ったことがある学生もいるので、
その点ではほかの地域よりも言語危機の問題を身近に感じられる学生は多いかもしれません。
今日はこちらをきちんと見ながら授業を聞いている学生が普段より多かった気がしますし、
時には眉を潜めたり悲しそうな顔をするなど真剣に捉えてくれている学生もいました。

今学期、いろんなチャプターをカバーしてきました。言語学を専攻してる学生はほとんどいないので、言語学が本当に面白い!と思う人も、統語論や音韻論のあれこれを今後も活用できる人は少ないでしょう。
しかし、地球の住民の一員として学生に伝えたい、学んでもらいたいのは

  • どのような音・文法を使おうと、文字体系があろうとなかろうと、言語はみんな平等であること
  • ハワイアンピジンなどのクレオール言語も立派な言語であり蔑視されるべきでないこと(これは特にハワイに住む学生だからこそ知っていてほしい)
  • 死にゆく言語、失われてゆく文化や知識がある現実

この3つだと思います。
この学期が終わるまでにこれだけでも覚えておいてもらえれば本望です。

今週を乗り切れば春休み。そのあとはあっという間に期末、そして春学期の終了を迎えることになるでしょう。
あと少し、頑張ります。

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